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この記事の内容
- 体育座りは腰痛の原因にもなる
- 日本の体育座りはいつからはじまった
- カラダに悪影響のない正しい座り方は「体操座り」は「三角座り」とも呼ばれ日本人にとっては学校教育の場などでなじみの深い座り方です。
しかし、海外ではこのような座り方を取り入れているところないらしく、最近になって「体操座り」は腰痛の原因になったり内蔵に負荷がかかったりなど様々なデメリットから「体操座り」を廃止する学校も出ています。
こちらの記事では「体操座り」が腰痛や人のカラダに与える影響を考え、長時間床に座る場合はどのようなことに注意ずればよいのかについてご紹介します。
体操座りとは
体育座りは一般的に次のような座り方とされています。
1. おしりを床や地面につけて座る
2. 両ひざを立てる
3. 立てた両ひざを両手で抱える
②のときに両ひざをくっつけることもあれば、足をクロスさせるケースもあります。
体育館での全校集会でこのような座り方をすることから、「体育館座り」と呼ぶ地域もあるようです。
また立てたひざの形から、「お山座り」や「三角座り」と呼ばれることもあります。
海外でこのような座り方をすることはなく、国によっては例えば次のような姿勢で教師の話を聞くこともあるそうです。
- 片ひざ立ち(オーストラリア)
- あぐら(韓国)
- 友達に寄りかかって座る(ペルー)
- 寝そべる(コロンビア)
日本以外の国においては姿勢ではなく、教師の話をしっかり理解しているかがより重視されているようです。
体育座りが集団行動の1つとして採用されているのは日本の教育現場だけであり、世界的に見るとかなり特殊な座り方と言えます。
体育座りはいつから日本の教育現場に?
日本の教育現場において、いつから体育座りが導入されるようになったのか、その経緯についてはハッキリしたことが分かっていません。
一説によると、朝礼などで貧血を起こす児童を座らせたことから、体育座りが始まったのではないかと考えられています。
昭和40年になると、旧文部省(現在の文部科学省)によって、体育座りが「集団行動指導の手引き」で取り上げられ全国的に広まりました。
集団行動指導の手引きでは、体育座りについて「腰を下ろして休む姿勢」である旨が記載されています。
体育座りには、次のようなメリットがあります。
- 前後に倒れにくく、安定して床や地面に座っていられる
- 地面が下りになっていても座りやすい
- 狭いスペースでもたくさんの児童が座れる
- 長時間経っているときに比べて貧血で倒れるリスクが低い
- 両手でひざを抱えるため、子どもの手遊びを予防できる
ただ、最近では体育座りの弊害も指摘されるようになっています。
体育座りは腰痛の原因にも
2014年の調査によると、小学校5年生から高校3年生までの児童や生徒のおよそ13%が腰痛持ちで、そのうちの半数以上が体育座りのときに痛みを感じているということです。
体育座りが腰痛の原因になる理由としては、次のような点があげられます。
- 長時間の同一姿勢によって腰に疲労が蓄積する
- 猫背の姿勢になるため腰の筋肉に大きな負担がかかる
- 骨盤が後ろに傾いて姿勢が悪くなる
長時間のデスクワークをされている方の中には、腰痛をお持ちの方も少なくないでしょう。
同じ姿勢をずっと続けていると、筋肉の緊張によって血管が圧迫され、血行不良が起こります。
血行不良が起こった場所では、痛み物質が産生されやすくなることが分かっています。
それによって筋肉痛のような痛みが起こるのです。
体育座りの場合も同様に、背中を曲げた状態が長く続くため、腰に血行不良が起こりやすくなります。
その結果、腰痛が出やすくなるわけです。
また、体育座りの姿勢を続けていると、骨盤が後ろに傾いて猫背の姿勢になります。
猫背になると腰の筋肉に大きな負担がかかり、腰痛が出やすくなります。
つまり、体育座りはある意味では、慢性的な腰痛の原因とも言えるのです。
さらに、長時間の体育座りは腰痛だけでなく、身体にも次のような悪影響を及ぼすと考えられています。
内臓が圧迫されてカラダの不調の原因にも
体育座りの姿勢を続けると、内臓が圧迫され、身体の不調の原因となる可能性が指摘されています。
例えば体育座りの姿勢によって、次のような体調不良を引き起こす可能性が考えられます。
- 胃が圧迫されることによる不快感
- 肺が圧迫されることによる息苦しさ
- 長時間の同一姿勢による血行不良からくる肩こりや頭痛
座骨や尾骨に負担がかかり側弯症の原因にも
体育座りの姿勢を続けると、坐骨や尾骨に負担がかかり、側弯症(そくわんしょう)の原因になるという指摘もあります。
長時間体育座りをしていると、おしりの真ん中が痛くなってくるため、体重を右や左に傾けて痛みを緩和しようとします。
結果として背骨が左右にゆがみ、側弯症を発症しやすくなるのです。
腰痛を防ぐための正しい床の座り方とは
床に座る際の腰痛を防ぐためには、次のような点を意識することが重要です。
- 坐骨を意識して座る
- 座り方を時々変える
- 長時間の同一姿勢を避ける
床に座ったとき腰痛が出やすいのは、骨盤が後ろに傾き、腰の筋緊張を生じるからです。
それを避けるためには、坐骨を意識して座ることが重要です。長時間の座禅をするお坊さんも、お尻の下に座蒲と呼ばれるクッションの一種を敷き、坐骨で座るようにしています。
坐蒲のようなクッションを利用すると、上半身が自然とまっすぐに伸び、腰にかかる負担を減らすことが期待できます。
家で床に座るときは、半分に折りたたんだ座布団やクッションを利用するとよいでしょう。
ただし、どんな座り方をしていても、長時間座っていると腰痛が出やすくなります。そのため、時々座り方を変えたり、長時間の同一姿勢を避けたりすることも重要です。
まとめ 200
体育座りは日本の教育現場に特有の座り方で、50年以上にわたってスタンダードとされてきました。
ところが近年になり、腰や内臓への負担を高めることから、体育座りを廃止する学校が増加傾向にあります。
床に座る姿勢に正解はないのですが、腰痛予防のためには坐骨を意識し、骨盤を起こす意識を持つことが重要です。
ただし、無理に背筋を伸ばそうとすると、かえって腰痛のリスクを高める恐れがあります。
床に座るときはクッションなどを利用し、無理なく骨盤を起こすのがおすすめです。