<本サイトは記事内にPRが含まれています>
強打や打撲もないのにお尻が痛いのはなぜ?
こんなことはありませんか?
- 椅子に座るとお尻の骨が痛い
- 仰向けで寝るとお尻の骨が床に当たって痛い
- 階段の上り下りの時にお尻の骨に衝撃が走る
これって座りすぎが原因で尾てい骨痛になっているのかもしれません。
こちらの記事では座りすぎが原因の尾てい骨の痛みに対する改善方法とエクササイズと
また、妊娠や打撲・骨折、腫瘍など原因に対する尾てい骨痛の対処方法もご紹介しています。
お尻が痛いと立ったり座ったりするのも一苦労します。
快適なデスクワークのため尾てい骨痛を改善しましょう!
尾てい骨はどこ?
尾てい骨は、背骨から続く骨盤の一部である、仙骨の一番下にあります。
「尾てい骨」という呼び方は俗称で、解剖学的には「尾骨(びこつ)」と呼びます。
お尻から少し飛び出しているため、尾てい骨が当たった状態で硬い椅子に長時間座ったり、長時間の仰向け寝をしたりすることで痛くなることがあります。
また、お尻が痩せていると、脂肪のクッションがない分直接的に椅子などに当たり、痛みが強くなりやすいです。
痛みが強くなると、座ることはもちろん夜間仰向けで寝ることも難しくなり、時には痛くて歩くのにも苦労し、生活全般に影響を受けてしまいます。
尾てい骨が痛くなってしまう原因を知り、予防法・対処法を実践して痛みのない毎日を送りましょう。
尾てい骨が痛くなる原因と対処方法
尾てい骨が痛くなる原因は大きく分けて3つあります。
原因1)座りすぎ
尾てい骨が痛くなる原因として一番多いのが、座り過ぎです。
尾てい骨はお尻の真ん中から少し出っ張っているため、座っているときに椅子に当たって痛みが出る場合や、尾てい骨周囲の筋肉が緊張して痛みが出る場合などがあります。
特に椅子が硬かったり、長時間座り続けたりしたときに痛みが出やすいです。
対処法としては、正しい座り方の練習や、骨盤を整え体幹をしっかりさせることで改善しやすくなります。
また状況によっては難しいかもしれませんが、長時間座ったままにならないようにし、時々は立ち上がり、歩き回りましょう。
原因2)打撲・骨折などのケガ
尻もちやぶつけたことで、尾てい骨に痛みが出ることもあります。
単なる打撲で済むこともあれば、時には骨折してしまうこともあります。
特に転んで痛みが出た場合は、尾てい骨だけでなく背骨などもケガをしているかもしれません。
打撲と骨折を見分けることは難しいので、治療が必要な状況かどうか、骨折の可能性も考えて受診することをお勧めします。
原因3)腫瘍などの病気
稀ではありますが、「仙骨脊索腫」や「馬尾腫瘍」などの腫瘍によって尾てい骨が痛くなることもあります。
尾てい骨だけでなく下半身の痛みやしびれなど広い範囲に症状がある場合には、腫瘍も疑い早めに受診しましょう。
座りすぎで尾てい骨骨が痛くなる
長時間座り続けていることが原因で、尾てい骨が痛くなることがあります。
正しい座り方をしていれば尾てい骨は椅子や床に当たらないはずですが、長時間座り続けていると疲れて姿勢が崩れたり、実は元々正しい座り方ができていなかったりすると、尾てい骨が当たり痛みが生じるのです。
そして当たっている座面が硬ければ、痛みは余計に強くなるでしょう。
正しい座り方ができない、長時間正しい座り方が続けられないのは、体幹が弱いからかもしれません。
ここでは、正しい座り方をご紹介します。
正しい座り方は、体幹を使い、座面には尾てい骨でなく座骨が当たります。
普段から実践することで体幹の持久力をつけ、尾てい骨の痛みを予防、緩和しましょう。
お尻が痛くならない座り方
座り過ぎで尾てい骨が痛くなる時は、正しい座り方ができているか確認しましょう。
いわゆる「仙骨座り」になっていると尾てい骨が椅子に当たりやすく、それが長時間続くと痛みが生じてしまいます。
正しい姿勢で椅子に座るポイント
① 左右の座骨で椅子の座面を押すように座ります。
座骨が良くわからない人は座面とお尻の間に手のひらを入れてみましょう。
手のひらが、座面とお尻の骨で挟まれた感じがすると思います。
このお尻の骨が座骨です。
② 座骨で座面を押す際のポイント
息を吐きながら、下腹を薄くする(凹ませる)ことです。
同時に上半身が天井に向かって伸びる感じがすると思います。
この状態で背中と腰の力を抜き、下腹は凹ませたままキープしましょう。
③ 足元はぴったり床につけます。
膝と足首が90度になる位置に足を置きます。
このように座ることで、座骨が座面に当たり、尾てい骨は当たらずに済みます。
また、椅子の選び方も重要です。
座面が硬すぎると尾てい骨はより痛みやすくなりますし、正しい座り方をしても座面を押している座骨が痛くなってしまいます。
座面が硬すぎる椅子に長時間座るときは、クッションをお尻の下に敷いてみましょう。
反対に柔らかすぎる座面は尾てい骨が当たっても痛くなりにくいものの、良い姿勢が取りにくいので腰を痛めやすくオススメできません。
もし椅子を選べるなら、実際に座ってみて座骨で座面を押しやすい硬さのものを選びましょう。
またすでに尾てい骨が痛い方は、ドーナツ型のクッションを使うと尾てい骨が当たる部分が空洞になっているので悪化防止になります。
使い過ぎには注意が必要ですが、尾てい骨の痛みが少しでも楽に座れるならば試してみる価値はあると思います。
打撲や骨折が原因
打撲や骨折が原因で尾てい骨が痛くなることもあります。
尾てい骨の打撲や骨折の多くは、尻もちをついたときやぶつけたときに起こります。
例えば路面が濡れていて滑った時、雪道で転んだ時、スケートをしていて転んだときなどが多いです。
また、出産時に長時間仰向けでいきむことで尾てい骨が押し付けられてしまったり、赤ちゃんが生まれてくるときに尾てい骨を内側から頭で押してしまったりして、打撲や骨折をすることもあります。
尾てい骨を骨折したときには、次のような症状が出ることがあります。
・腫れる
・強い痛みで気持ち悪くなる
・時には嘔吐することもある
・痛みが弱い場合もある
打撲は筋肉などの組織が炎症を起こして腫れたり痛くなったりしている状態で、骨折と違って骨に異常はありません。
ただし、必ずしも症状が軽いから打撲で、弱いから骨折とも限りません。
転んだりぶつけたりしたことで尾てい骨が痛みだした場合は、骨折の可能性も考えることが大切です。
尾骨の打撲や骨折の対処は
尾てい骨を打ってしまったときには、応急処置として保冷剤などで患部を冷やしましょう。
冷やすことで炎症や腫れをある程度抑えることができます。
冷やして痛みが取れる程度であれば問題ないと思われますが、冷やしても痛みがとれない、痛みで気分が悪い、吐き気がする、腫れてきたなどの症状があれば、早めに受診しましょう。
痛めた状況によっては、例えば背骨などにも骨折等の異常がないか診てもらう必要があります。
打撲でも骨折でも、治るまではある程度痛みと付き合うことになります。
基本的に病院で経過を診てもらいながら治るのを待つことになると思いますが、痛み止めのお薬や湿布などを出してもらえると日常生活が少し楽になるでしょう。
また、治るまでは尾てい骨の安静が大切です。
上記した正しい座り方の実践や、ドーナツクッションを使って患部が椅子に当たらないようにしましょう。
寝るときには仰向けだと尾てい骨に体重がかかりやすいので、横向きがオススメです。
横向きで寝るときに足の間に抱き枕やクッションなどを挟むと、より尾てい骨への負担が少なくなるので試してみてください。
患部を安静にして、早く治しましょう。
腫瘍が原因になることも
尾てい骨の痛みの原因は座り過ぎやケガだけでなく、腫瘍が原因になることもあります。
腫瘍が原因の場合は、尾てい骨付近の痛みだけでなく、神経が圧迫されるためその神経が関係している足や排泄など広く影響を受けることが特徴です。
以下では尾てい骨付近の痛みを伴いやすい二種類の腫瘍について説明します。
両方とも100万人に1~3人と非常に稀な病気ですが、尾てい骨の痛み以外の症状を伴う場合には座り過ぎやケガ以外の原因の可能性も考えて早めに受診しましょう。
H3 仙骨脊索腫
「脊索」とは、まだ背骨もできていない胎児だった頃に、背骨の代わりに体を支えてくれていたものです。
通常はお腹の中で体が成長するに従って消えていきますが、何らかの原因で仙骨に残り、そこに腫瘍ができたものを「仙骨脊索腫」と言います。
腫瘍が成長してくると仙骨にしこりを触れますが、腫瘍自体に痛みは無いので神経に影響が出るまでは自覚症状が無いことが多いです。
また腫瘍が仙骨から出る神経を巻き込んでしまうと、以下のような症状が出ることがあります。
・下半身のしびれ
・下半身の痛み
・下半身麻痺
・排泄の障害(出にくい、出ない、漏れてしまう)
主な治療は、手術によって切除する方法と放射線治療です。
腫瘍ができた部位や状態によって、手術だけ、放射線治療だけ、または両方行うなどが選択されます。
仙骨付近にしこりを触れた場合や、尾てい骨付近だけでなく下半身まで痛みやしびれがある場合などは早めに受診しましょう。
馬尾腫瘍
「馬尾(ばび)」とは背骨の内側(脊柱管)を通る脊髄(脳から続く神経の束のようなもの)の先に続く、馬のしっぽのようにふさふさと細い神経が集合している部分です。
馬尾腫瘍とは馬尾にできる腫瘍のことです。
症状は、馬尾のどの位置に腫瘍ができるかによって様々ですが、以下のようなものが代表的です。
・腰痛
・排尿障害(出づらい、出ない、漏れてしまう)
・足の痛み
・足のしびれ
・足を動かしにくい
特に夜間など横になった時に症状が強くなることが特徴的です。
基本的には手術により腫瘍を取り除く治療が選択されますが、症状がごく軽かったり高齢などで手術のリスクが高かったりする場合には、手術をせずに症状をコントロールする方法が取られる場合もあります。
尾てい骨の痛みだけでなく、下半身の痛みやしびれ、動きの悪さなどの自覚症状がある場合には早めに受診しましょう。
妊娠中におしりが痛いことも
妊娠中に尾てい骨付近が痛くなることもあります。
妊娠中は、出産に向けて骨盤全体が緩むようホルモンで調節されています。
そこに赤ちゃんの体重や大きくなった子宮などの重みがかかり、尾てい骨が押されて痛みに繋がってしまうのです。
また妊婦さんはお腹が大きくなるにつれて、その重みで反り腰になりやすい状態でもあります。
反り腰になると尾てい骨が後ろへ飛び出すような向きになるため、座った時や仰向けになった時に当たりやすくなり、更にお腹の重みによって痛みはより強くなってしまうのです。
妊娠中の尾てい骨の痛み対策
① 骨盤ベルトを使って緩んだ骨盤を締める
② 仰向けで寝ると痛みが強くなる場合は横向きで、足の間にクッション等を挟む
③ 椅子に座ると尾てい骨が当たって痛い場合にはドーナツ型のクッションの利用
④ 正しい姿勢で座る
特に正しい姿勢で座る習慣が付くと、尾てい骨が守られると同時に体幹の強化にも繋がり、尾てい骨の痛みの再発予防になります。
また、体幹が強化されることで反り腰も解消しやすいです。
妊娠中の尾てい骨の痛みは、時間はかかるもののほとんどの場合は出産後徐々に薄れていきます。
妊娠中はできる限り尾てい骨を守りながら過ごし、痛みを産後に残さないように気をつけましょう。
尾てい骨痛おすすめエクササイズ
ここでは座り過ぎなどが原因で尾てい骨の痛みがある方におすすめのエクササイズをご紹介します。
尾てい骨痛におすすめのエクササイズ1)体幹を鍛える
座ると尾てい骨が当たってしまう人は、正しい座り方ができていないことが多いです。
そして正しい座り方をある程度の時間キープするには、体幹がしっかりしている必要があります。
ここでは腹式呼吸によって体幹を鍛える方法をご紹介します。
① 仰向けになり、両ひざを立てます。
② 鼻から息を吸い、吸った息で下腹を膨らませます。
③ お腹をへこませながら、口から息を吐きます。
お腹が薄くなって、これ以上吐けないというところまで吐き切りましょう。
下腹が引き締まって硬くなり、恥骨が斜め上方向へ持ち上がるイメージで行ってください。
※吐き切ったとき下腹が硬くなることで体幹が鍛えられるので、頑張って完全に吐き切りましょう!
尾てい骨痛におすすめのエクササイズ2)座骨歩き
座骨で床を押すことと、お腹を締めることの連動を練習できるエクササイズです。
骨盤を左右順番にしっかりと動かすことで骨盤の歪みも正し、尾てい骨の位置が正常に戻りやすくなります。
① 両足を前に投げ出し、両方の座骨で床を押して骨盤をまっすぐに保ち、下腹をへこませ、上半身を天井へとまっすぐ伸ばします。
足を無理にまっすぐ伸ばそうとすると骨盤が後ろに倒れてしまうので、その場合は軽くひざを曲げましょう。
② 左の座骨で床を押すと同時に、上半身と右の座骨を持ち上げ一歩前に出ます。
左の座骨でしっかりと床を押すこと、猫背にならずに上半身をまっすぐ天井に向かって持ち上げることがポイントです。
お腹は締め続けたまま頑張りましょう!
③ 右の座骨が床につくと同時に、右の座骨で床をしっかり押し、上半身と左の座骨を持ち上げ更に一歩前に出ます。
④ 5~10歩程度、できる範囲で頑張りましょう。
※前に進めない場合は、まずはその場で歩く(足踏みする)練習から始めましょう。
無理をせず、その場での足踏みが十分にできるようになってから前に進む練習をします。
※お腹は常に締め続けます。
まとめ
いかがでしたか?
一言で「尾てい骨の痛み」と言っても、原因は座り過ぎ、ぶつけた、腫瘍、妊娠など様々であることがお分かりいただけたと思います。
尾てい骨以外の下半身症状がある場合や、強くぶつけて骨折の可能性がある場合にはできるだけ早い受診が大切です。
反面、座り過ぎや妊娠などによる尾てい骨の痛みは、座る姿勢の改善やエクササイズで予防や緩和が期待できます。
尾てい骨はとても小さな骨です。
それでも痛みは生活の質を大きく低下させます。
姿勢の見直しや毎日のエクササイズで、心地よい身体と心地よい毎日を手に入れましょう。