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ホットフラッシュは、多くの更年期女性に生じる症状です。
更年期は女性の閉経前後の数年間を指し、その期間には更年期症状や更年期障害と呼ばれるさまざまな症状が生じます。
ホットフラッシュは更年期の主だった症状の一つであり、お困りの方は多くいらっしゃるでしょう。
この記事では
- ホットフラッシュとは
- どんな症状か?いつまで続くのか?
- 自分ですぐにできる対処法
などについてご紹介します。
ホットフラッシュとは
ホットフラッシュは、更年期に現れる症状で、上半身ののぼせやほてり、発汗などをまとめて称します。
手足は冷たいのに顔だけほてる、冬でも顔や頭に大量の汗をかく、など実際の症状や程度は人によって異なります。
本人にとっては辛い症状ですが、周りの人からの理解や共感が得られにくく、ひとりで悩みを抱えている方も少なくありません。
また、ホットフラッシュは突然生じることがあります。外出時や会食中などに大変な思いをされた経験から、人付き合いから遠のいてしまうといったことも起こり得ます。
ホットフラッシュを発症する時期
ホットフラッシュが現れる時期は、他の更年期症状が現れる時期と同様です。
女性の更年期は閉経前後の約10年間を指し、その間に現れるさまざまな症状を更年期症状と呼びます。どのような更年期症状が起こるかは人によってさまざまですが、ホットフラッシュは多くの方に生じる一般的な症状です。
ホットフラッシュは多くの場合、更年期が終わりに向かうにつれ徐々に改善をみとめます。
ただし、更年期の症状は、自身や家族のライフイベントや生活環境の変化にも関連していることから、人によっては速やかに改善したり、反対に長引いたりすることもあると言えます。
ホットフラッシュの原因
ホットフラッシュは、自律神経のバランスが崩れることによって、血管の収縮と拡張のコントロールができないことが原因で起こります。
更年期にはエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが急激に減少します。ホルモンバランスの乱れにより、身体の不調や精神的な不安定をきたします。
中でも、身体の不調の多くは自律神経の乱れに起因しています。
自律神経は、血管の収縮や拡張、発汗、体温調整などを担っており、自律神経が乱れることでほてりやのぼせ、多量の発汗などの症状が生じます。体温調整がうまくできないため、手足は冷たいのに上半身は暑くて仕方ないような状態となることもあります。
ホットフラッシュは上記のようにして起こりますが、同様の症状ではあるものの、更年期症状以外の何らかの疾患が潜んでいる可能性があるため、注意が必要です。
例えば、ほてりやのぼせ、発汗、動悸などをきたす疾患の一つにバセドウ病(甲状腺機能亢進症)があります。初めて生じた症状であれば、一度病院を受診し相談することが望ましいです。
自分ですぐにできるホットフラッシュ対処法
ホットフラッシュへの対策として、自律神経のバランスを整えることが重要になります。
自律神経には、緊張時に優位になる交感神経と、リラックスしている時に優位になる副交感神経があり、双方は常にバランスをとって身体の機能を調整しています。
そのバランスが崩れると、疲れやすさ、イライラ、冷えやのぼせなどの自律神経失調症状をきたします。
以下では、ホットフラッシュの対策の中でも、自律神経を整えるための方法を中心にご紹介します。
バランスの取れた食事
栄養バランスの取れた食事を、規則正しい時間に摂取します。
ビタミンやミネラルの不足は自律神経の不調をさらに深刻にするため、肉類、野菜、海藻などを積極的に摂取するようにしましょう。
一説では、大豆に含まれる大豆イソフラボンが女性ホルモンのエストロゲンと同様の作用を持つため、ホットフラッシュに効果があるとされていますが、今のところ効果の真偽ははっきりしていません。
長期摂取における安全性は確立されていないため、長期に渡って多量に摂取することは、現時点ではあまりおすすめできないと言えます。
適度な運動
運動することは、血行を改善するとともにストレスの発散につながり、身体的にも精神的にも好ましい効果があります。
特に有酸素運動を定期的に行うことで、交感神経と副交感神経の切り替えが生じ、自律神経のバランスがとりやすくなります。
また、適度な疲労から良質な睡眠を得られることも利点と言えます。
入浴
入浴には、自律神経のバランスを改善するいくつかの効果があります。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かることは、副交感神経を優位にし、身体をリラックスさせます。
また、熱めのお湯とぬるいお湯(もしくは外気浴)を繰り返す‘’交代浴‘’も、自律神経のバランスを改善する助けとなります。ただし、熱いお湯に長時間浸かり続けることは、交感神経の過剰な興奮や血管内脱水をきたすため、避けるようにしましょう。
さらに、入浴により適度な水圧がかかることで、全身の血行の改善に繋がります。
ベッドに入る1-2時間前に入浴を済ませることで、体温が徐々に低下し、良質な睡眠を得やすくなります。
ヨガ
ヨガは古代インド哲学に起源を持つ心身療法で、身体的なポーズや呼吸法、瞑想などによってリラクゼーション効果を得ることが期待できます。
いくつかの研究は、ヨガを行うことが更年期に関連した症状を軽減させる可能性があるとしています。
特別な道具が必要ないため、運動の中では気軽に始めやすいエクササイズと言えます。
マインドフルネス瞑想
マインドフルネス瞑想とは、その瞬間その瞬間での体験に完全に集中する瞑想法の一種です。
近年の研究で、マインドフルネス瞑想により更年期女性の不安やストレス、睡眠の質や生活の質が改善したとの報告があります。同様にして、ホットフラッシュにも効果が期待できます。
マインドフルネス瞑想の詳しい方法については、多数の書籍等で紹介されていますので、興味のある方は調べてみてください。
まとめ
更年期の症状の一つであるホットフラッシュに関して、症状や原因、いつまで続くのか、対処法などについてご紹介しました。
ホットフラッシュは、多くの方を悩ませる症状ではあるものの、理解や共感が得られにくい厄介な症状とも言えます。
ご自身ですぐに試せるいくつかの対処法がありますので、体質や生活スタイルに合ったものをぜひ取り入れてみてください。
参考文献
厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』 eJIM 更年期障害の症状
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c05/11.html
厚生労働省研究班監修 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ ホットフラッシュ
https://w-health.jp/climacterium_trouble/hot_flash/
公益社団法人日本産婦人科学会 更年期障害
https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=14