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腰痛は、厚生労働省の調査によると、男性では1番、女性は肩こりに次いで2番目に症状を訴える方が多いというデータがあり、まさに国民病とも言えます。
※【厚生労働省のHP】https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/soshiki/toukei/tp130300-03.html
そんな腰痛が、「なかなか治らない」「検査しても原因不明」という場合は、精神的ストレスが関係しているかもしれません。
本記事では、精神的なストレスと腰痛をなくし快適に生活を送るために、腰痛の原因やストレスによる慢性腰痛のメカニズム、治し方のポイントを解説します。
「腰が痛い!」 腰痛の原因は不明
腰痛の原因にはさまざまなものがありますが、腰(骨、筋肉)に由来するものと腰以外に由来するものに大別されます。
腰痛診療ガイドライン2012によると、はっきりと原因が特定できるものは全体の15%で、残りの85%はレントゲン検査などをしても原因が特定できないと言われています。
痛みの原因が特定できる腰痛
腰の骨や筋肉などに異常がある場合
原因が特定できる(腰の骨や筋肉などに異常がある)場合の腰痛には、以下のような疾患があります。
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腰椎圧迫骨折
【原因】
腰椎の椎体(骨)に外部から圧力がかかることで生じる骨折。高齢者、特に女性に多い。
【症状】
腰部に我慢できない程の強い痛み。
【対処法】
コルセットで腰部を固定、姿勢の矯正などの保存療法が一般的。
脊柱管狭窄症
【原因】
加齢や労働、背骨の病気による影響で変形した椎間板と、背骨や椎間関節から突出した骨などにより、神経が圧迫され発症する。
【症状】
腰痛はあまり強くないが、歩行時に下肢の痛みやしびれを訴え、歩き続けることが困難になる。
【対処法】
手術または、保存治療としてリハビリテーション、コルセット着用、血行を良くする薬物療法などを行う。
腰椎椎間板ヘルニア
【原因】
背骨をつなぎ、クッションの役割をしている椎間板の一部が出てきて、神経を圧迫することで症状が出る。
【症状】
腰や臀部の痛み、下肢にしびれや痛みが放散、足に力が入りにくくなるなど。
【対処法】
安静や、コルセット着用、消炎鎮痛剤の内服や坐薬、神経ブロックなどによる保存療法が一般的。
筋性腰痛
【原因】
筋性腰痛は、腰の筋肉や筋膜に急激または慢性的に負担がかかることで発症する。「ぎっくり腰」もその一つ。
【症状】
背骨に沿った筋肉(=脊柱起立筋、胸腰筋膜など)に痛みや圧痛、運動時痛を生じる。
【対処法】
薬物療法やリハビリ、温熱療法などが行われる。
参照:筋・筋膜性腰痛|横山医院
85%が明確な原因が特定できない腰痛
全体の85%もの腰痛の原因が特定できない理由は、医師による問診・診察の所見やX線、MRI、CTなどの画像検査をしても、腰のどこに原因があるのか判定できない、つまり科学的に説明できないからです。
これを「非特異的腰痛」とも言い、画像などの検査には表れないさまざまな要因が絡み合っていると考えられます。
次章からは、そんな原因不明の腰痛、特に慢性腰痛について説明していきます。
原因が特定できない慢性腰痛とは
慢性腰痛とは
そもそも慢性腰痛とは、明確なからだの異常がないにも関わらず、腰痛が3ヶ月以上続いている状態を言います。
慢性腰痛はストレス性の腰痛かも
病院を受診しても「原因はわかりません」と言われた場合は、ストレス性の腰痛かもしれません。
「腰が痛い」はストレスが原因だった
ストレス性腰痛とは
ストレス性腰痛とは、日常生活や仕事への不満、家庭や職場の人間関係などといった心理的ストレスが脳機能へ影響し、からだへのストレス反応として腰痛を発症・治りづらくしている状態のことです。
日本整形外科学会、日本腰痛学会が策定した腰痛診療ガイドライン2019では「腰痛の治療成績と遷延化には心理社会的因子が強く関連する」とも指摘されています。
下記では、ストレスと腰痛の関係を説明します。
精神的ストレスと腰痛との関係
ストレス腰痛なぜおこるのか?
なぜストレスによって腰痛が起こるのでしょうか?
関係原因とメカニズム
そのメカニズムの一つとして考えられるのが、心理的ストレスによる脳機能の不具合です。
心理的ストレスが脳の機能を阻害
私たちのからだは、通常、痛みを抑える「下行性疼痛抑制系」という脳の仕組みにより、脳への痛み信号が抑えられています。
しかし心理的ストレスにさらされると、脳機能に不具合が生じ、痛みを抑制する仕組みが機能しなくなり、結果、わずかな痛みでも強く感じたり、痛みが長引いたりしてしまうと考えられています。
また、ストレス反応として冠動脈が一時的な痙攣を起こし、筋肉の血流不足が腰痛を誘発するとも言われています。
腰痛に影響を与えるストレスとは
仕事への不満 人間関係 痛みへの不安や恐怖など
なお、腰痛に影響に与えるストレスとは、前述したような、仕事への不満や人間関係、さらには痛みへの不安や恐怖などがあげられます。
ストレス性腰痛の特徴は自律神経の乱れからくる痛み
ストレス性腰痛の特徴は、腰部の痛みだけでなく、自律神経(=心とからだのバランスを調節する機能)の乱れによる不調も伴うことです。
例えば、次のような症状の傾向がみられます。
・原因がないのに腰の痛みが続く
・治ったと思っても、しばらくするとぶり返す
・息苦しさや不眠、イライラなど自律神経の乱れによる不調も伴うなど
うつ病と腰痛の関係
ちなみに、うつ病患者に腰痛が多いと言われる理由は、うつ病もストレス性腰痛と同様に精神的・身体的ストレスが影響した脳の不具合による疾患として関係が深いからです。
からだに現れるストレスの反応は、腰痛以外にも
- 頑固な肩こりや背中のはり
- 息苦しさ・動機
- 下痢・便秘・吐き気などの胃腸の不調
- 頭痛・めまい・耳鳴り
- 全身の倦怠感・筋肉痛、手足の冷え・しびれ
など、さまざまな不調を伴います。
まだうつ病と診断されていなくても、慢性的に続く腰痛がストレスの影響を受けている場合、その要因を放置すると、最終的にうつ病につながる可能性もあるので注意が必要です。
「怒りは腰痛に悪い」こんな人は注意
「ストレスを受けやすい=気弱な人」とイメージされがちですが、実は下記のような人もストレス性の腰痛になりやすいです。
- ちょとしたことでイライラ怒りっぽい性格
- 仕事中心の生活(ワーカホリック)
- 悲しくなったり、憂うつになったりしやすい
- 責任感が強く、几帳面
悲観的「恐怖回避思考」は腰痛を悪化
腰痛を悪化させてしまう要因に「恐怖回避思考」という概念もあります。
「恐怖回避思考」とは、痛みが悪化するのではないか、また再発するのではないか、といった痛みへの不安や恐怖から、必要以上に腰をかばいすぎたり、からだを動かさなくなったりすることです。
コルセットで必要以上に保護
典型的な例に、コルセットで必要以上に保護してしまうことがあげられます。
コルセットは、ギックリ腰の直後などに、腰や骨盤を固定することで痛みが緩和することが期待できますが、長期間の使用は、腰を支える筋肉低下につながるので、せいぜい2~3日までにしておくのが好ましいです。
またコルセットの締め付け過ぎは血行不良を招き、痛みが増すこともあります。
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腰痛を恐れて運動をしない
腰痛の悪化・再発を恐れるあまり、運動をしないことも恐怖回避思考による腰痛回復を遅らせてしまう要因です。
腰をかばい動かさない状態が長く続くと、腰回りの筋肉が使われないことで柔軟さを失い、かえって腰痛が治りづらくなり、再発のリスクも高まります。
独断でストレス原因腰痛と決めつけは危険
ここまでストレス性の腰痛についての説明を読んで、「自分の慢性腰痛はこれかも」と心当たりがある方もいるかもしれません。
ただし、独断でストレスが原因による腰痛と決めつけるのは危険です。
腰痛の中には、内臓疾患(解離性大動脈瘤、尿管結石、胆嚢炎、十二指腸潰瘍…)などが腰痛の原因の場合もあるので、自己判断せず、病院での診断を受けましょう。
ストレス性腰痛の対処法【精神的要因チェック】
ここでは参考までに、あなたの精神的ストレスがどれほどなのかチェックする方法を紹介します。
ストレスをチェックしよう
下記のような不調はストレスを溜め込んでいるサインです。
当てはまらないか確認してみましょう。
- 寝つきが悪い
- 朝スッキリ起きれない
- イライラする
- 不安を感じる
- 食欲不振、胃痛、胸やけ
- 便秘・下痢を繰り返すなど
BS−POP簡易問診票とは
また、病院では、慢性腰痛の患者の精神的要因をチェックする方法として『BS−POP簡易問診票』が使われることがあります。
BS−POP簡易問診票とは、患者自身が回答する質問票と、医師が患者さんの精神的要因を評価する質問票を使って総合的に診断するためのものです。
質問項目 | 回答と点数 | ||
1.泣きたくなったり、泣いたりすることがありますか | 1.いいえ | 2.ときどき | 3.ほとんどいつも |
2.いつもみじめで気持ちが浮かないですか | 1.いいえ | 2.ときどき | 3.ほとんどいつも |
3.いつも緊張してイライラしていますか | 1.いいえ | 2.ときどき | 3.ほとんどいつも |
4.ちょっとしたことが癪(しゃく)にさわって腹が立ちますか | 1.いいえ | 2.ときどき | 3.ほとんどいつも |
5.食欲はふつうですか | 1.いいえ | 2.ときどき | 3.ほとんどいつも |
6.1日のなかでは、朝方がいちばん気分がよいですか | 1.いいえ | 2.ときどき | 3.ほとんどいつも |
7.なんとなく疲れますか | 1.いいえ | 2.ときどき | 3.ほとんどいつも |
8.いつもとかわりなく仕事ができますか | 1.いいえ | 2.ときどき | 3.ほとんどいつも |
9.睡眠に満足できますか | 1.いいえ | 2.ときどき | 3.ほとんどいつも |
10.痛み以外の理由で寝つきが悪いですか | 1.いいえ | 2.ときどき | 3.ほとんどいつも |
※判断基準
・当てはまる項目の合計点が15点以上で、かつ腰痛がある場合は、整形外科への受診がすすめられる。
・腰痛がない人は、15点以上でも気にする必要はない。
参照元:慢性腰痛とは?ストレスやうつなどの精神的要因が痛みを招く|NHK健康ch
悪循環から脱却!ストレス性腰痛の治し方3つのポイント
ストレスの悪循環から脱却し、慢性腰痛を治すためのポイントは下記の3つです。
- 考え方を見直す
- ストレスをためない生活習慣
- どうしても改善しない場合は薬物療法も検討する
それぞれについて詳しくみていきましょう。
治療方法①悪循環の原因となる「考え方を見直そう」
まずは、無意識に回復のブレーキをかけ、悪循環を招いている「考え方」を見直しましょう。
次のように、前向きに腰痛と向き合うように意識してみてくださいね。
- 腰痛はまだあるけど、以前よりちゃんと良くなっている
- 今日はこれだけからだを動かしても大丈夫だった
- よく眠れた日は腰痛も良くなっている気がするなど
「考え方を変えなくちゃ」と焦らず、ゆっくり少しずつで大丈夫です。
また、痛みのことを考えすぎず、時には別のことの集中するのもおすすめです。
治療方法②ストレスをためない生活習慣
ただでさえストレス社会と言われる現代ですから、自分なりのストレスをためない生活習慣を作ることも重要なポイントです。
- 十分な睡眠をとる…心やからだの休息につながります。
- 適度な運動…からだが温まり、程よい汗をかくことでリフレッシュにつながります。
- ストレスはこまめに解消…例えば仕事終わりの温泉や、サウナなどに通う習慣をつくるのもおすすめです。
- 喫煙習慣NG…喫煙は脳への悪影響や血行不良を招くので、可能であれば控えましょう。
愛煙者の中には、元々ストレス解消のよりどころとして吸っている方も少なくないため、なかなかたばこをやめるのは難しい場合もあるでしょう。
しかし、喫煙は腰痛を治りにくくする以外に癌をはじめ、多くの病気と関係しているので、この機会に禁煙にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
治療方法③ストレス腰痛を薬で治す
上記2つを実践しても改善しない場合は、薬を使用することも検討してみましょう。
ストレス性腰痛で使用される薬は痛み止めが一般的で、痛みや不快感から解放されることは精神的な悪循環から抜け出す助けになります。
とはいえ、薬に頼りすぎるのも依存につながってしまうので、①②の取り組みは継続し、薬の服用は必ず医師の指示に従いましょう。
まとめ
本記事では、腰痛の原因やストレスによる慢性腰痛のメカニズム、治し方のポイントを解説しました。
慢性腰痛は、心理的ストレスを受けた脳の不具合や心の消耗を示すサインかもしれません。また、大きな病気が隠れている場合もあります。
いずれにせよ「ただの腰痛」と放置せず、早めに病院を受診し、診断を受けるようにしましょう。
名前 鍼灸師×ライター齋藤 未有 職業 フリーの鍼灸師、ライター プロフィール 鍼灸の国家資格を取得後、都内・千葉の鍼灸接骨院・女性専門院で
多くの臨床経験を経て独立。鍼灸治療の傍ら、健康・医療系の分野を
中心に、オウンドメディアのWebライターやディレクターなど多様な
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