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- 坐骨神経の手術方法や費用や入院期間は
- どのような場合に手術をした方が良いのか
- 坐骨神経のハビリと復帰までの期間は
坐骨神経痛はそれほど珍しい症状ではありません。
しかし、症状が悪化すると、長時間歩き続けるのが困難となるケースもあります。
仮に坐骨神経痛の症状が深刻な場合は手術という治療法があります。座骨神経痛の手術にはどれくらいの費用が掛かり、リハビリにはどの程度の期間が必要となるのでしょうか。
今回の記事では、坐骨神経痛の手術方法や費用、入院期間などをご紹介しています。坐骨神経痛の症状や原因など、概要について理解したい方も参考になさってください。
この記事を書いた人
名前 | 整体師、療術院経営 塚本誠 |
職業 | 整体師、療術院経営者 |
プロフィール | 東京都内で療術院を経営する整体師。早稲田大学を任意退学後、 整骨院で勤務をしたのち都内で整体院の院長を歴任。 筋膜リリースを中心とした施術活動に取り組む。 セミナー講師やテレビ出演のかたわら、一般の方に医学的根拠 に基づいた情報を届けるべく執筆活動もおこなう。 |
坐骨神経痛とは
坐骨神経痛は、坐骨神経沿いに痛みやしびれが出る症状を意味します。
坐骨神経痛自体は、病気や病名ではありません。
仮に坐骨神経痛の症状が何らかの疾患によって起こっているのであれば、その原因を取り除かなければなりません。放置した場合、原因となる疾患が悪化し、歩行障害などのトラブルを招く可能性もあります。
そのため、まずはなぜ坐骨神経痛の症状が出ているのか、原因をハッキリさせる点が重要です。
座骨神経痛の原因
坐骨神経痛の発症原因は、大きく分けると次の2つに分類されます。
- 腰部疾患
- 筋緊張
それでは、それぞれについて簡単にご紹介します。
坐骨神経痛の原因①腰部疾患
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの腰部疾患がある場合、坐骨神経痛の症状を引き起こすケースがあります。
腰部疾患にともなう症状の程度によっては、手術を必要とするケースがあります。
坐骨神経痛の原因②筋緊張
画像診断で坐骨神経痛の原因が分からない場合、筋緊張によって症状を引き起こしている可能性があります。
その場合は、保存療法(後述)で様子を見るのが一般的です。
坐骨神経痛で手術を受けたほうがいい場合
坐骨神経痛で手術を受けたほうがいい場合としては、腰部疾患にともなう症状のひどいときがあげられます。
とくに腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症がある場合、手術が必要となるケースも少なくありません。
では、具体的にどのようなときに手術した方がよいのでしょうか。
①歩行障害がある場合
坐骨神経痛にともなって歩行障害がある場合、手術を推奨されるケースがあります。
実は、腰椎椎間板ヘルニアには軽症例の神経根型と、重症例の馬尾型の2種類があります。重症例の馬尾型のヘルニアを発症した場合、歩行障害をともなうケースが少なくありません。
そのような症状があると、日常生活にも支障をきたす結果となります。そのため、早期の手術が推奨されています。
また、脊柱管狭窄症の特徴も歩行障害をともなう疾患です。
脊柱管狭窄症の発症にともない、日常生活に支障をきたすような場合は、やはり手術が推奨されています。
②激しい痛みで寝れない場合
激しい痛みで寝られない場合も、手術を検討する必要があります。
寝られない日々が続くと、身体の回復力が低下するだけではありません。痛みによるストレスが、さらに症状悪化の危険性を高めます。
寝られないほどの痛みがある場合は、早めに専門医に相談しましょう。
③早急に社会復帰したい場合
坐骨神経痛の手術をおこなうケースとしては、早期に社会復帰したい場合も挙げられます。
後述する保存療法で改善が見られない場合、手術を検討するのもよいでしょう。
坐骨神経痛の手術とはどんな手術がある?
腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の症状がひどい場合、手術療法が検討されるケースもあります。
では、どのような手術方法があるのでしょうか。
ここでは、具体的な手術方法をピックアップして3つご紹介しています。
「脊椎内視鏡手術 」
脊椎(せきつい)内視鏡手術は、超小型カメラで映し出された患部をモニターで確認しながらおこなう術式です。
腰椎椎間板ヘルニアの場合は、症状の原因となる髄核(ずいかく)を手術によって摘出します。
脊柱管狭窄症の場合は、神経の通り道を広げる目的で手術がおこなわれます。
特徴
脊椎内視鏡手術の最大の特徴は、傷口が小さい点です。そのため、手術からの回復が早く、痛みも少ないといったメリットがあります。
費用や入院期間
脊椎内視鏡手術にかかる費用は、健康保険や助成制度などを利用した場合、およそ10万円程度です。(ただし、保険の負担割合や年収によって多少の上下があります)
脊椎内視鏡手術をおこなった場合、およそ7日から10日の入院が必要となります。
歩けない期間は手術から1日程度です。
手術の翌日には理学療法士の指導下で、リハビリを開始するのが一般的です。
「ラブ法」
ラブ法は、腰椎椎間板ヘルニアに対しておこなわれる一般的な手術法です。
全身麻酔を施したうえで背中から切開し、神経圧迫の原因となる髄核を摘出します。
特徴
ラブ法の特徴は、入院期間が短くて済む点です。
また、切開する範囲が小さいため、痛みが少ないといったメリットもあります。
費用や入院期間
ラブ法の場合、手術の翌日には退院可能なだけでなく、歩けない期間もありません。
手術を終えたらすぐに歩けるようになります。
費用は入院・検査費を含めおよそ10万円程度です(3割負担の場合)。
「椎弓切除術」
椎弓切除術(ついきゅうせつじょじゅつ)は、ヘルニアや脊柱管狭窄症に対しておこなわれる手術法の1つです。
症状の原因となる脊髄の圧迫を取り除く目的でおこなわれます。
特徴
内視鏡下で椎弓切除術をおこなった場合、傷口が小さく、症状の回復も早いといった特徴があります。
費用や入院期間
椎弓切除術にかかる費用は、3割負担の場合でおよそ25万円から40万円とされています。
症状の程度や年齢によって入院期間が異なるため、費用にも差が見られます。
入院期間はおよそ4日から6日で、歩けない期間は2日間といったケースが一般的です。
座骨神経痛の手術の成功率は
腰椎椎間板ヘルニアの手術をおこなった場合、成功率はおよそ90%とされています。
腰部脊柱管狭窄症の場合、手術の成功率はおよそ70%となっています。
ただし、いずれの場合も再発のリスクがある点を知っておきましょう。
確かに手術をすれば、原因となる病巣を摘出したり、神経圧迫を取り除いたりする効果が期待できます。
しかし、ヘルニアや脊柱管狭窄症を発症するような生活習慣を続けていれば、また同じ症状を繰り返す結果となります。
そのため、手術後のリハビリや生活習慣の改善が重要となるなのです。
坐骨神経痛の手術後のリハビリは大切
坐骨神経痛の手術をおこなった場合、術後にリハビリをおこなうのが一般的です。
リハビリ期間は症状の程度や年齢、運動経験の有無、筋力などによって左右されます。
若い方であれば数週間で済むケースもありますが、ご高齢の方なら数ヶ月を要する場合もあるでしょう。
また、長期間リハビリに励むと、症状の再発リスクを下げる結果にもつながります。
主なリハビリ方法としては、次のような例が挙げられます。
リハビリ①ベッドの上で足首の曲げ伸ばし
最近の手術法は身体にかかる負担が少なく、早期にベッドから降りられるようになってきています。
ただ、手術の直後からしばらくは、ベッドの上で過ごさなくてはならないケースもあるでしょう。
その場合、理学療法士などから、ベッドの上で足首の曲げ伸ばしをおこなうよう指導されます。
足首の曲げ伸ばしをすると、血行を促進し、筋力の低下を予防する効果が期待できます。
リハビリ②歩行器を使ったリハビリ
坐骨神経痛の手術をおこなった場合、翌日から2日後には歩けるようになるのが一般的です。
通常は歩行器を使ったリハビリから始めます。
歩き方が安定してきたら、徐々に運動負荷を高めていきます。
リハビリ③下肢のストレッチや筋トレ
手術後のリハビリとしては、下肢のストレッチや筋トレも挙げられます。
ストレッチで関節の可動域を広げると、腰にかかる負担を減らす効果が期待できます。
また、筋トレをおこなうと筋力をアップさせたり、身体の回復力を高めたりする結果につながります。
身体を傷つけない保存療法とは
坐骨神経痛の症状がある場合、手術療法と保存療法といった2つの選択肢があります。
保存療法は簡単に言いますと、手術をせずに症状の改善を図る方法です。
坐骨神経痛に対する保存療法の具体例としては、以下のような方法が挙げられます。
①薬物療法
坐骨神経痛に対する代表的な保存療法の1つが薬物療法です。
よく用いられる治療薬としては、筋弛緩薬や消炎鎮痛薬、外用薬などが挙げられます。
つらい痛みを緩和するのが主な目的です。
②温熱療法
患部をホットパックなどで温める方法が温熱療法です。
温めると血液の循環がよくなり、患部の回復力を高める効果が期待できます。
③装具療法
装具療法は、コルセットなどで骨盤まわりを固定する治療法です。
坐骨神経痛にともなって動作時の痛みがある場合、装具療法を推奨されるケースがあります。
装具によって関節の可動域を制限すると、動作にともなう痛みを予防する結果につながります。
④運動療法
運動療法は手術の後だけでなく、保存療法としてもおこなわれます。
体操やストレッチなどで適度に身体を動かし、筋肉の柔軟性や関節の可動域を保ちます。
まとめ
坐骨神経痛にともなう症状の程度がひどい場合、手術が必要となるケースもあります。
今回ご紹介した手術は、いずれも身体への負担が少なく、日常生活への早期復帰が期待できます。
ただし、本当に手術が必要となるケースは、腰痛全体のおよそ10%~15%に過ぎません。
まずは保存療法をおこない、坐骨神経痛の原因をハッキリさせる必要があります。
そして、姿勢を含めた日常の生活習慣を見直し、腰にかかる負担を減らすのも重要なポイントです。