心因性腰痛の症状原因と治し方!休職の場合の診断書はどうしたら良い

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心因性腰痛の症状原因と治し方!休職の診断書はどうしたら良い

腰痛が長く続くけど原因がはっきりしない。

腰痛が長引く人の実に8割が抑うつ状態だといわれており
心因性腰痛といわれている腰痛が注目されています。

心因性腰痛は高齢者ばかりでなく若い世代にも広くみられます。

心因性腰痛の治療には痛みを和らげる薬物療法や運動療法以外にカウンセリングや心理療法も必要だといわれています。

こちらの記事では最近注目されている心因性腰痛の原因や治し方、また会社を休む場合について詳しく紹介します。

目次

心因性腰痛とは

心因性腰痛とは、痛みの原因として心理的・社会的な要因が関わっている腰痛を指します。 

抑うつ状態の患者さんでは、精神症状とともに腰痛などの身体症状が現れることが知られています。

慢性腰痛の患者さんで、気分障害や不安障害を併発していることは多くあります。
心因性腰痛は
職場環境や対人関係など精神的な負荷が原因となって適応障害をはじめとするストレス性疾患として起こる場合と、長引く腰の痛みが原因でストレス性の精神症状を引き起こしている場合とがあります。

後者のように、きっかけとして腰痛をきたすような身体の異常があり、心理的な要因が加わることで腰痛が長期化したり、痛みの程度を悪化させたりするケースも心因性腰痛に含まれます。
心因性腰痛では、少なくともすぐに治療や手術が必要な身体的疾患はありませんが、身体的な問題がまったくないわけではありません。

もしかして心因性腰痛? チェック方法

現在慢性的な腰痛をお持ちで、病院で検査をしてもはっきりした原因がわからなかったという方は、「もしかしたら心因性腰痛かも?」と思っておられるかもしれません。

心因性疼痛を診断するために決まった評価方法はなく、不安や抑うつ、痛みに対する思考などに関して、いくつかの尺度を組み合わせて評価を行います。

以下では、複数の評価尺度からいくつか抜粋してチェック項目としています。ご自身の気持ちや感じ方に当てはまるものにチェックをつけてみてください。

• 緊張したり、気持ちが張り詰めたりすることがよくある。
• 心配事が心に浮かぶことがよくある。
• 昔楽しんでいたことを楽しめなくなった。
• 眠れない、もしくは過度に寝てしまう。
• 腰痛の他に、身体のだるさや頭痛、肩こりなどがある。
• 痛みのことをずっと考えている。
• 痛みのせいで何もできないと感じる。
• 痛みがひどくなるのではないかと怖くなる。
• 歩く、前屈する、持ち上げるなどの動作は腰痛を悪化させると思う。
• 腰痛を悪化させないために、なるべく動かないほうがいいと思う。

いかがでしたか?チェックが多くついた場合、心因性腰痛の可能性が疑われます。

※ただし ストレスのサインがあるからと言って、独断でストレスが原因の腰痛であると特定することは危険です。腰部の疾患や病気が原因の場合もありますので病院を受信しましょう。

心因性腰痛の治し方は

心因性腰痛へのアプローチは、背景にある精神的な不調に対する介入と、痛みに対する介入の2本柱で行います。

① 精神的な不調の解消は産業医面談を

精神的不調の原因として、労働状況や対人関係などによるストレスが疑われる場合、まずはストレスのかかる環境から離れることが必要です。

かかりつけ医や産業医と面談し、指示された期間休職・休学するようにします。
さらに専門的な治療が必要な場合は、精神科や心療内科で内服治療や心理療法を行います。(うつ病治療薬である三環系抗うつ薬やセロトニン・ノルアドレナリン阻害薬は、神経障害性疼痛に対しても使用されるため、ご自身が処方されている薬の中にこれらが含まれていたとしても、必ずしもうつ病と診断されている訳ではありません。)

② 腰の痛みへの対処と認知行動療法も並行して行う

痛みに対する治療としては、血流の改善や機能維持の目的でリハビリテーションやストレッチを行います。温熱療法、ヨガ、マインドフルネス療法なども有効とされています。

また、専門的なものとしては、認知行動療法や自律訓練と呼ばれるものがあります。

これは、慢性的な腰痛の原因として患者さん自身の破局的思考や誤った認知がみられる場合に、自らの痛みを主体的にコントロールできるよう、考え方をトレーニングする方法です。

これらの心理療法には専門的な知識と診療経験が必要なため、多くの場合は精神科やペインクリニック科で行うことになります。

心因性腰痛に ロキソニンは有効?

心因性疼痛の場合、ロキソニンやアセトアミノフェンなどの鎮痛薬はあまり効果がないでしょう。

ロキソニンは、侵害受容性疼痛といって打撲や捻挫など組織への損傷からくる痛みや、急性腰痛症の場合などに効果がありますが、慢性化した痛みにはほとんど効果がありません。

慢性的な腰痛の経過の中で、特別痛みが強い時に内服すれば多少の効果はあるかもしれませんが、ロキソニンは腎機能障害や胃潰瘍を起こすリスクとなるため、漫然と長期的に内服することはおすすめできません。

心因性腰痛仕事は休職したほうが良い?

うつ病をはじめとする精神的不調が背景にある心因性腰痛の場合、治療として休職が必要です。

腰痛というと、一般的にはぎっくり腰などの急性腰痛症を思い浮かべる人が多いため、慢性的で原因がはっきりしない心因性腰痛に対しては理解が得られにくい状況といえます。

企業における休職は法律に定められてはおらず、各企業がそれぞれに制度を設けているため、医師の診断があったとしても休職をみとめられなかったり、周囲からさぼりとみられる風潮のため休めないといったケースが多くあります。

しかし、ストレスが原因で精神的な不調をきたしている場合は、まずはそのストレスから離れることが重要です。職場でのストレスが心因性腰痛の原因であるならば、治療の上でもある程度の期間の休職は必須といえます。

③ 休職する方法の解決策が無いので⇒こちらを追記しました
労使や同僚、業務など職場でのストレスが心因性腰痛の原因と思われる場合は、職場環境における労働者の健康管理等を行う産業医の先生に相談するのが良いと思われます。

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心因性腰痛の診断書のもらい方

休職のための診断書のもらい方ですが、通院中の病院で発行を依頼してください。診断書の発行は、診察を行った医師のみが可能となります。診療科は問わず、また初めて受診した医療機関でももらうことができます。

診断書にまつわるクレームやトラブルが多いため、中には診断書を書いてくれない医師もいるでしょう。特に、腰痛の原因として身体的な異常が何も見られない場合、整形外科の医師に心因性腰痛として診断書を発行してもらうことは難しいかもしれません。

また、患者さんによっては、「腰痛のせいで自分はもう働けない」などといった破局的思考や恐怖回避思考が腰痛を増悪させているケースがあるため、医師の判断としてあえて診断書を発行しない場合もあるでしょう。

整形外科で診断書を依頼する場合、診断書が必要な理由(=休職のため)と提出先(=自身の職場)をしっかり伝え、腰痛症として診断書を書いてもらうのがいいでしょう。

しかし、たとえば急性腰痛症と診断を受けたとして、休職期間は数日〜長くても数週間など、短期間となることが想定されます。背景に精神的な不調がある場合、休職期間としてこれでは不十分です。そのようなケースでは、精神科や心療内科を受診し、うつ病や適応障害として診断書を書いてもらうのが適切と思われます。
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まとめ

心因性腰痛について、治療の方法や休職の必要性、診断書をもらう方法などをご紹介しました。心因性腰痛では、治療の上でもストレスから離れ休養することが必要なケースがあるため、職場や家族のサポートが重要となってきます。

しかし現状として、さぼっている、仮病だなどと扱われることもあり、つらい状況にある方もおられるでしょう。医師の中でも、専門性が違えば正しい判断をされないこともあるため、心因性腰痛を疑う場合は精神科やペインクリニック科などで専門的な治療を行うことが望ましいといえます。

参考資料
知ることからはじめようみんなのメンタルヘルス 厚生労働省 URL: https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
慢性疼痛診療ガイドライン 慢性疼痛診療ガイドライン作成ワーキンググループ編
腰痛診療ガイドライン2019 改定第2版 日本整形外科学会、日本腰痛学会監修

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