腰痛の痛み止めが効かない原因は?対処法と正しい薬の服用方法

腰痛の痛み止めが効かない

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腰痛に困って痛み止めを試してみたものの、「痛み止めを飲んでもあまり良くならない」「痛み止めがまったく効かない」などと感じている方は多くいらっしゃるでしょう。
痛み止めが効かない原因はいくつか考えられ、誤った飲み方のために本来の効果が発揮できていない場合もあります。

この記事では、

  1. 腰痛の痛み止めが効かない原因は
  2. 痛み止めが効かない場合はどうする
  3. 腰痛の痛み止めの正しい服用方法

についてご紹介します。

目次

腰痛の痛み止め市販薬はどんなものがある

薬局やドラッグストアで購入できる痛み止めは、内服薬や外用薬など豊富な種類があります。

内服薬

内服する痛み止めは、「解熱鎮痛剤」という括りで販売されています。

市販の解熱鎮痛剤には病院で処方されるものと同様の有効成分が入っていますが、安全のため含有量が少なく作られているものが多いです。ただし、多量に摂取すれば中毒症状や重篤な副作用が出ることがあるため、指定された用法用量を正しく守ることが大切です。
内服薬は、使用される成分によって「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」とそれ以外に分けられます。NSAIDsは痛みに対する効果は強いですが、長期に服用すると胃粘膜や腎臓に負担を与えることがあります。

<内服薬の具体例>

NSAIDsを含む痛み止め

ロキソニン、イブ、ノーシン、バファリン(15才以上用)

NSAIDs以外の痛み止め

以下のものは、主な有効成分としてアセトアミノフェンが含まれています。
タイレノール、ラックル、バファリン(小児用)

外用薬

外用薬には、貼り薬や塗り薬があります。
外用薬は、痛みが「急性」か「慢性」かで選択します。
急性痛の場合は、患部に炎症があるため、冷やすタイプの外用薬を選択します。
慢性痛の場合は、血流障害や冷えが原因のことが多いため、温めるタイプの外用薬を選択します。

<外用薬の具体例>

急性痛におすすめ

フェイタスZシップ、ロキソニンテープ、ボルタレンゲル

慢性痛におすすめ

フェイタスシップ温感、バンテリンパップホット、メンソレータムラブ

腰痛に痛み止めが効かない場合の原因と対応方法

薬局で購入した痛み止め、あるいは病院で処方された薬を内服しても、期待した効果が得られない場合があります。
腰痛の痛み止めが効かない原因として、まずひとつ考えられるのは、痛みの種類や程度に対して適切でない薬を使っている場合です。
例えば、以下のようなケースが考えられます。

・神経が原因となっている腰痛
・炎症が強い腰痛
・内臓などの病気が原因
以下で詳しくみていきましょう。

神経が原因の場合の対応は

ビリビリ・チクチクする痛み、身体の片側に出る痛み、帯状に広がる痛み、手先や足先に出る痛みなどは、神経の障害や過剰興奮が原因と考えられます。
神経が原因の痛みの場合、市販薬では対応が難しいことが多いです。
神経が原因の痛みのことを専門用語で「神経障害性疼痛」といいますが、神経障害性疼痛に使用する薬は第一候補から順にガイドラインに定められています。
痛みの治療を専門にしている医師は、このガイドラインを踏まえてそれぞれの患者さんに合った薬を選んで治療しています。
ペインクリニック科や整形外科など、痛みの治療を専門としている病院でご相談ください。

炎症が強い腰痛の対応は

炎症が強い腰痛とは、たとえば腰椎椎間板ヘルニアの急性期やぎっくり腰のように、脊椎周辺の支持組織に一時的に強い炎症が起きている状態です。
この場合、程度の強い痛みに対応するために市販の薬では不十分なことが多いでしょう。
病院で薬を処方してもらうか、場合によっては神経ブロックなどの特別な対応が必要なこともあります。
急性痛は多くの場合、安静に過ごすことで改善が見込めますが、長く続く場合や痛みのため生活に支障が出るような場合は、病院を受診するようにしてください。

内臓などの病気が原因の場合

腰痛というと骨や筋肉、支持組織などが原因と思いがちですが、中には後腹膜臓器の疾患が原因となる場合があり、注意が必要です。このような痛みの場合、一般的な市販薬は効果に乏しいことが多いです。
急に生じた痛みで、もっとも注意が必要なのは大動脈疾患です。大動脈瘤破裂や大動脈解離などの疾患は、対応が遅れれば命に関わります。急な腰痛とともに、冷や汗や意識障害などが生じた場合は、救急車で病院を受診してください。

慢性的な痛みであれば、深部感染症や、悪性疾患の骨病変等の可能性を考える必要があります。このような場合、腰痛以外の症状として発熱や倦怠感、体重減少などがあるかもしれません。採血や画像検査などの全身精査のため、まずは内科を受診するようにしてください。

腰痛の痛み止め薬は正しい使い方で

痛み止めの効果が減ってしまう原因として、服用方法が間違っている場合があります。
また、間違った方法で服用することで、副作用が出やすくなる可能性もあるため、正しい方法で飲むことが大切です。
間違った薬の飲み方として、よくあるのは以下のようなものです。

水や白湯以外で飲む

多くの薬が、水もしくは白湯で飲むことを推奨されています。
また、お茶と一緒に飲むこともあまり影響がないとされています。
牛乳やジュースは、中に含まれているカルシウムや酸などの成分が薬の効果に影響する可能性があるため、一緒に飲むのは極力避けたほうがいいでしょう。

カプセルを割ったり錠剤を砕いたりする

カプセルや錠剤タイプの薬は、溶ける時間を調整することによって、体内で持続的な効果を得られるようにしています。
たとえば朝夕2回飲む薬の場合、朝飲んでから夕の内服まで効果が持続するように吸収時間が調整されています。この薬を砕いて飲んでしまうと、夕までに薬の効果が切れてしまい、痛みが出る可能性があります。

指示通りの時間に飲まない

薬にはそれぞれ体内での吸収時間があり、それによって1日の中でいつ飲むか、何回飲むかが決められています。
飲み忘れがあると、薬の効果がなくなる時間が生じてしまい、見込んだ効果が得られません。
また、飲み忘れた薬をまとめて一度に飲んでしまうと、薬が効きすぎて眠気やふらつきが出るなど、なんらかの副作用に繋がる可能性があります。

一度にたくさん飲む

決められた量を守らず一度にたくさん飲めば、効果が増す以上に副作用の危険が高まります。
薬の種類によっては、腎臓や肝臓に障害を与えるものもあります。安全のため、薬は決められた量を守って飲むようにしましょう。

他の人が処方された薬を飲む

病院で処方される薬は、それぞれの患者さんの症状や既往症を考慮して選ばれています。
処方された本人に効果があるからと言って、別の人に同様の効果があるとは限りません。
また、体格の違いによって同じ量でも過量となることがあります。
薬の飲み合わせに問題があったり、持病やアレルギーなどの問題で重篤な副作用が出る可能性もあります。
家族や友人が処方された薬をもらって飲むことは、絶対にやめましょう。

買ってから(処方されてから)時間が経った薬を飲む

それぞれの薬には有効期限があるため、買ってから相当な時間が経った薬を飲むことは避けるべきです。
薬は直射日光を避けた場所に保管し、有効期限が過ぎたものは処分するようにしましょう。

まとめ

腰痛の痛み止めが効かない場合について、原因や対策についてご紹介しました。
痛みの症状や程度は人によってまちまちのため、痛みの治療のためには複数の痛み止めを試すことが多いです。ひとつの痛み止めが効かなくても、いろいろと試してみることでご自身にあった対策が見つかるかもしれません。
市販薬が効きにくいと感じる場合は、ぜひ専門科のある病院でご相談ください。

参考
第一三共ヘルスケア 今さら聞けないくすりの効き方
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/drug_effect/
厚生労働省 市販の解熱鎮痛薬の選び方
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00404.html
EPARK 腰痛によく効く強い痛み止めはある?おすすめの市販薬を紹介!
https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/diclofenac-otc/

 

この記事を書いた人

名前 TOMOKO
職業・資格 麻酔・ペインクリニックを専門とする医師
プロフィール 手術麻酔や術後管理に従事するかたわら、肩こりや腰痛に代表される
慢性痛の診療にも尽力しています。
ライターとして 「tomoko」のニックネームで医療系記事を中心に
執筆活動も実施。趣味はヨガ、登山、DIYなど。
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